角議長メッセージ第5回 社会人になられた皆さんへ ~未知は可能性であり希望~

この春社会人になられた皆さん、誠におめでとうございます。
日本建設産業職員労働組合(日建協) 議長の角 真也と申します。
建設産業に大勢の新たな仲間が加わったことを、心強く感じるとともに大変うれしく思います。

私自身が社会人になったのは今から二十数年前になりますが、固く閉ざされた記憶の扉を叩きながら、少し当時のことを振り返ってみたいと思います。

携わることすべてが自分への投資

関西の学校を卒業した私の最初の赴任先は広島でした。広島の地には親戚も友人もおらず、大きな不安を抱きながら赴任したことを覚えています。タクシーに乗車した際に運転手さんが、「昨日はいい試合でしたねぇ 今日もきっと勝ってくれるでしょう」と言っていたのが、後から広島カープのことだと分かり、「遠いところにきてしまった」とより寂しさ、孤独感を抱いたことを記憶しています。
入社してから働くこと数カ月、ある先輩が私に言いました。
「頼まれた仕事は、まず、“はい”と言って、やってみろ!」本当はもっときつい表現だったと思います。
今聞くと、パワハラだと言われかねない言葉ですが、本当の意味は違いました。
「多くの人を知り、多くのことに触れることが自分への投資になる。“はい”と言ってくれない人に頼み事や仕事の依頼はしない。事のよし悪しは後から判断すればいい。依頼されないようになってしまっては、自身の将来にとって大きな損失につながる。」これが、先輩が私に伝えたかったことでした。
すべてにおいて、“はい”と言うことが正しいとは思いませんが、「携わることすべてが自分への投資」今でも私の働く姿勢の軸になっている「仕事信条」です。

未知は可能性であり希望

少し話は変わりますが、

― 未知の世界に向かうのは、足がすくむような思いもすることでしょう。―
― けれども、未知は、可能性であり、希望でもあります。―
― やってみなければ、何も始まらない。―

聞いたことがあるという方もいらっしゃると思いますが、私の好きな言葉です。
これは、100歳を超えて現役の医師として働いていた日野原重明先生の言葉です。

これから社会に漕ぎ出す皆さんにとって、会社、そして仕事は「未知の世界」だと思います。知らないことに立ち向かうには勇気も必要ですし、足がすくむ思いをすることもあるでしょう。そんなときに、『未知は可能性なんだ、未知は希望なんだ』そう考えて一歩踏み出してみてください。その一歩が必ずやみなさんの可能性の花を咲かせることになるでしょう。

日建協は、皆さんを心から応援していきます。一緒に建設産業を盛り上げていきましょう。