東西組合細見 neo17/安藤・間職員組合

1873年に安藤庄太郎が東京市神田区松枝町に土木建築請負業を創業したことから始まった安藤建設株式会社と、1889年に間猛馬が九州鉄道株式会社から門司機関車庫・客車庫の新設工事を請け負い、門司(福岡県)で創業したことから始まった株式会社間組の合併により、2013年に株式会社安藤・間が発足しました。同年に安藤建設職員組合と間組職員労働組合の2つの組合も1つになり、安藤・間職員組合(安藤ハザマユニオン)が誕生、今年で会社も組合も10周年という大きな区切りを迎えました。
本社と組合事務所は眼下に浜離宮恩賜庭園が広がる汐留の高層ビル内にあります。

◆ 設 立:2013年7月(平成25年)◆ 組合員数:約2,051名(2023年10月1日現在)
◆ 本部執行委員数:8名◆ 組織率:59.8%
◆ 支部数:10支部◆ 執行委員会:月2回

『みんなが笑顔』安藤・間職員組合誕生10周年新ビジョン

職種、年齢、所属地がさまざまなメンバーで構成されたビジョン策定委員会を設置し、2022年度の1年間をかけて検討を重ねました。組合員の明るい未来に向け、わかりやすく誰もが共感できるということでAHU VISION『みんなが笑顔』に決定しました。同時に「組合活動に参加する」、「互いの意見を尊重し対話する」、「目的に向かって協力する」の3点を「私たちが大切にすること」とし、組合員が実践する組織をめざしています。

「会って話す」活動を重視

橋本委員長

一人でも多くの組合員と直接会って生の声を聴くため、数多くの職場で「遊説」を実施しているのが安藤・間職員組合の特徴です。本部執行委員が年2回、約100か所の職場を訪問します。また、組合員の要望を元に若手・女性・育児などをテーマに「階層別懇談会」を各支部で行い、組合員同士のつながりも深めています。
独自の取り組みに、分会や職場など身近な単位で集まり、組合に関するテーマを設定して気軽にコミュニケーションをはかるミニレクリエーション「組合の日」を開催しています。そのほか、会社・組合の制度をわかりやすくまとめた冊子:Cheer Bookを作成し、組合員の理解促進をはかっています。

労働時間の適正管理の浸透をはかる

毎年組合で行っているアンケートでは、50%近い組合員が労働時間の適正な申告をしていない結果となっており、いかに労働時間の適正管理を根付かせるかが課題となっています。今年度からは労働時間の適正な申告・承認・管理を推進する『適正申告メール』を発信し、組合員一人ひとりが適正管理について考える場を提供しています。また、2024年から適用される時間外労働の上限規制について当社の制度に対応した資料を作成し、日建協発行の「もうすぐそこに!上限規制」とあわせて遊説等で教宣することによって、組合員の法令・当社制度の正しい理解につとめています。

海外の組合員への積極的なコミュニケーションと支援

日野書記長

Web会議システムの活用が進んだことなどにより日本と同様な活動ができるようになったことから、今年度、20年前にできた海外特別支部を国際支部に変更しました。所属するのは海外17か国の海外拠点と国内部署の組合員、約60名です。あわせて、今年度からは海外に駐在している組合員も中央執行委員に加わり、国内外を問わず活発な活動をめざしています。昨年度からはコロナ禍で実現できなかった海外遊説を3年ぶりに再開し、今年度は12月にアジア、1月にはカナダ、ホンジュラスを訪問します。
近年は外国籍の社員も増加しており、組合員の本拠地の多様化も進んでいますが、別居手当・帰省旅費支給など社内規定や運用の一部に対応できていない部分があるので、国内外での処遇の差をなくすために会社と協議を進めています。


今回の取材をつうじて、組合員の生の声を聴くために、実際に会うことを大切にしながらコミュニケーション機会の創出につとめる様子が伺え、細やかな組合員への気配りが感じ取れました。取材にご協力いただきました橋本委員長、日野書記長、ありがとうございました。