女性技術者が作業所で働き続けるためには 2022年度女性技術者会議

女性技術者が作業所で働き続けるためには
~ 私たちが取り組めることを考えよう ~

2022年度 女性技術者会議

日建協では、誰もが働きやすい建設産業を実現するためには女性の視点を取り入れていくことが重要と考え、女性技術者会議を開催しています。2022年度は女性技術者が作業所で働き続けるための課題について、より具体的な解決方法を検討するため男女共同で討議を行い、課題解決にむけての具体的行動について考えました。当日の流れにそって紹介します。

1.イントロダクション
~講義:アンコンシャスバイアスについて~

昨年の会議を振り返ると、異性間のアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)が作業所の働きやすさを阻害している要因のひとつになっているようでしたので、会議の冒頭に学びの時間を設けました。

2.グループ討議 ~課題解決にむけて具体的に何ができるのか~

◆ テーマの設定
女性技術者が作業所で働き続けるために解決すべき様々な課題から、必須テーマと選択テーマを設定しました。選択テーマについては4つのうち1つを選ぶ形式にしました。

◆討議の進め方
討議は以下のように進め、課題解決にむけての具体的行動について議論を深めました。

3.グループ発表 ~私たちが取り組めること~

グループ討議をつうじて、課題を解決するための具体的行動について、各々の立場から様々な解決方法を発表しました。発表の一部をそれぞれのテーマごとに紹介します。

女性への特別な配慮、気遣いをなくすためには
・年齢を限定せず、上の年代も男女交えてお互いの意見を聞く。
・女性に特別ではなく、一人ひとりの性格、考え方を尊重し合えるよう、まずは会話する。
・お互いの立場になって考えてみる。発言する際は一呼吸して落ち着いてから行う。
・性別でみるのではなく、その人の個性をみる。

ハラスメントをなくすためには
・自分もハラスメントをしているかもしれないと考え、社外や部署外の人と交流を持ち、ハラスメントに対する考え方、捉え方を再認識する。
・更衣室やトイレなど、改めて女性特有の現場設備の見直しをする。
・何かあったら相談できる仲間、上司など周囲との人間関係の構築。
・同業のハラスメントに関する情報も共有する。
ライフイベントと仕事を両立するためには
・担当業務を1人で抱えるのではなく、手持ちの業務をオープンにして共有する。
・部下や上司だけでなく、社外も含めて多くの関係者に休みが必要な理由、自分がおかれている環境を伝える。
・各々の担当業務の目的を明確化し、効率よく仕事をする。

長時間労働を解消するには
・毎日の優先順位を決めて時間割を作る。
・残業しないと割り切って、メリハリをつけた働き方をする。
・「所長しかわからない」「主任しかできない」といった固定観念をなくし、主体的に業務を行う。
・自分の業務量はしっかりと把握して、その上で上司に報告、相談する。

4.会議を終えて

会議終了後の懇親会では、会議をつうじてできた、加盟組合の垣根を超えた参加者同士の交流がさらに深まりました。
また、参加者に事後アンケートに答えてもらいました。

アンケートによる意見・感想
・女性だけではなく、男性社員も含めて話ができたことが非常に有意義だった。
・女性をピックアップするのではなく、男女共に働きやすい環境の整備が大切だと感じた。
・社会ではジェンダーレスへの意識が高まっているが、女性が抱える問題が解決されたわけではない。
・結婚や育児に関すること、特に出産後の働き方について考えることは必要だと思う。全員で考えていくことで職場環境も変えていけると思った。

おわりに

今回は男女各々の立場から課題解決にむけての具体的行動について話し合いました。女性目線の意見、男性目線の意見を出し合い、理解することにより、課題解決へ一歩前進できたと思っています。女性にとっての働きやすさは男性にとっての働きやすさでもあり、ひいては建設産業での働きやすさに繋がると考えています。一人ひとりが自分の意見を声に出して伝え、また相手の意見を聞いて、誰もが働きやすい環境をめざしていきましょう。

日建協は、今後も誰もがいつまでも働ける、誰からも誇りに思われる建設産業の実現をめざして活動していきます。