女性技術者が建設産業を魅力的にする !!・・・2012年度 女性技術者会議

~ 女性技術者が増えたら、建設産業は変わるんです ~

2012.12.14 2012年度 女性技術者会議より

日建協では、建設産業におけるワーク・ライフ・バランスを実現するためには、女性技術者の視点が必要と考え、女性技術者会議を開催しています。これまでの会議では、女性が働きやすい職場は誰にとっても働きやすいと考え、作業所の環境や制度について検討をしてきましたが、そもそも女性技術者の人数が少ないとの声が聞かれました。

今回参加した女性技術者にアンケートをすると、6割の女性技術者が、知り合いの女性技術者は10名以下と答えました。そこで、今年の女性技術者会議は、「建設産業に女性技術者が増えるためには」をテーマとして開催しました。

女性技術者が増えることで建設産業は変わるのだろうか? と思う方もいるかもしれませんが、女性技術者が一人いるだけで作業所は変わるんです。だから女性技術者が増えると、建設産業は変わるんです。

では、作業所はどう変わったのか? 女性技術者の実体験を聞いてみました。そして、その体験をもとに、建設産業に女性技術者が増えたら建設産業がどう変わるかをみんなで考えてみました。

 

建設産業は他の産業に比べ女性の進出が遅れています。しかし、建設産業には少ないながらも女性技術者が、現場監督や現場支援業務で活躍をしています。そして、その職場は男性のみの職場とは一味違う魅力あるものになっているようです。このような魅力ある職場を増やしたいと思いませんか?

建設産業に男女を問わず働きやすい職場が増え、誰にとっても魅力的な産業になった時、建設産業のワーク・ライフ・バランスも実現できるのではないでしょうか。

日建協ではもっと女性技術者が増え、その力を発揮できる環境を整えることが建設産業を魅力的な産業にするきっかけになると考え、加盟組合企業をはじめ、各所に意見発信をしていきます。

講演.「育児と仕事の両立」
・・・三井住友建設社員組合 藤原亜紀子さん

出産・育児を経験した人の話を聞きたいという女性技術者の声から、結婚や出産、育児と仕事の両立について、実体験をもとに藤原さんに講演をしていただきました。

藤原さんが入社した当時は建設産業内の各社が女性技術者の採用を本格的に始めた頃でした。当初は働き続けるという強い意思はなかったそうですが、「自分がしっかりしなければ女性の採用がなくなるかもしれない」と思い、仕事をしていたそうです。

結婚、出産等により仕事の継続について悩んだ時には「生活環境が変わるのだから、今までと同様に働こうとするのではなく、どのようにすれば働き続けられるかを考えることが自分にとっても会社にとっても重要であり、後輩の女性が仕事を続けるきっかけになる」と前向きに考えることにしたそうです。また、お子さんが自社で建設したビルを指差し、友達に“ママの作ったビル”と説明をした時、「仕事を続けていて良かった」と感じたそうです。

今回の講演を聞いた女性技術者のみなさんにとって、働く上での参考になったと思います。

2012年度 女性技術者会議参加者(敬称略、50音順)計23名
伊澤美幸(ピーエス三菱労組)、岡松はるな(錢高労組)、置田 彩(ハザマユニオン)、小原理恵(飛島労組)、小池真弥(アサヌマユニオン)児玉ひと美(佐藤職組)、塩瀨奈保美(安藤職組)、清水郁子(鉄建職組)、進 綾乃(シミズユニオン)、菅沼安奈(シミズユニオン)、相馬慧子(ハザマユニオン)、中村佳代(錢高労組)、中村茉莉(西松職組)、野村奈緒(安藤職組)、富士本佳亜(フジタ職組)、藤原亜紀子(三井住友社組)、逸見佳奈(戸田職組)、松川 愛(奥村職組)、三島由佳(ピーエス三菱労組)、山根 澄(アサヌマユニオン)
オブザーバー:大髙和久里(内閣府男女共同参画局推進課)、中村実加(東洋大学4年生)、林 未華(東洋大学4年生)