議長メッセージ第3回 労働時間の適正な管理

労働時間の適正な管理

「8時間労働発祥之地」

秋の深まりを感じる今日このごろ。自然の中で、余暇を楽しむ方も多いのではないでしょうか。

日建協では毎年この時期に、加盟組合企業を訪問し、企業経営者との意見交換を実施しています。日建協の時短推進活動や産業政策活動の説明、4週8閉所や改正建設業法、コロナ禍における内外勤格差解消の取り組みなど、意見交換は多岐にわたります。

そのなかでも特に日建協が強く訴えているテーマの1つが、「労働時間の適正な管理」についてです。

建設産業は、2024年に所定外労働時間の罰則付き上限規制が適用され、日建連が労働時間削減や4週8閉所実現に向けたロードマップを作成し、各企業では、これに基づく経営目標を掲げて、働き方改革を粘り強く前進させています。

一方で、日建協が毎年行っている「時短アンケート」(1万人を超える組合員の労働実態調査アンケート)では、調査した2019年11月単月で「勤務申告した時間と実際に働いた時間」に差が生じている組合員もいました。また、時短ハラスメントを受けていると考えられる組合員もおり、時短の取り組みに苦慮している等の声が上がっています。

2024年まであと3年5か月。「あるべき労働時間の実現」にむけて、まずは「労働時間」を正しく理解し、勤怠管理において適正な労働時間の申告をしていきましょう。

<リンク>
日建協機関誌CompassVol.817 2019年1月号「労働法セミナー 労働時間の基礎知識」

写真は 8時間労働発祥の地の碑
8時間労働制の本格的な実施を日本に最初にもたらした労働争議が、大正8年(1919)に神戸の川崎造船所でおこりました。最初に8時間労働制が実施されたことを記念して、神戸市のハーバーランドに記念碑が建てられています