NikkenkyoNews Vol.50 日本建築家協会と意見交換、統一土曜閉所運動へ後援いただく!

2016年4月22日
於:日本建築家協会 会議室

 

日建協では、プロジェクト全体工期の適正化をはかるためには、設計と施工の対話が重要と考えています。

 

今回は公益社団法人日本建築家協会に対し、建築作業所アンケート結果を用いて組合員の労働環境の実態を伝えると共に「建築(民間)提言」について意見交換を行いました。

 

意見交換の様子

意見交換の様子

プレイヤーが減り続けていく中で、働く者の休日取得とりわけ作業所における土曜閉所実現にむけては、事業の特性に応じた発注工期の最適化をはかると共に、建築生産における更なる生産性向上が求められています。日本建築家協会の筒井専務理事からは「生産性向上の観点から、設計側としても十分な配慮をしていく必要があり、それがまた設計側のメリットになると考えている。」とした上で、また「設計界も、若い人は職場の労働環境に魅力を感じていない。」といった現状についてコメントがありました。

 

左から、日本建築家協会 原田事務局長、筒井専務理事 日建協 時枝副議長

左から、日本建築家協会 原田事務局長、筒井専務理事
日建協 時枝副議長

日建協では、作業所における4週8休の実現にむけ、上流工程で諸課題を解決するフロントローディングを推し進めるよう提言しています。パフォーマンスの向上には、プロジェクト全体工期の適正化をはかり、企画・設計・施工の各段階で働く者がきちんと休める労働環境が不可欠であります。「土曜日を当たり前に休める建設産業」について、社会や発注者からより一層の理解と協力が得られるよう、引き続き日本建築家協会と連携をはかりながら、提言活動に取り組んでいきます。

また統一土曜閉所運動への協力について、これまで要請を行ってきましたが、今回6月の運動から後援をいただく運びとなりました。

 
以下、意見交換での各テーマについて、筒井専務理事からのコメントを紹介します。

 

多様な発注方式について
「公共建築工事で実施されているECI方式には、設計側としても肯定的な意見が多い。」
「CM方式は、ゼネコン側の権限と輻輳していることが課題である。建築分野以外の方が、まずは今後広く展開していくのではないか。」

施工円滑化にむけたプロジェクト運営について
「設計変更などを含め、設計者にどこまでの権限を持たせれば良いかといった役割分担と責任が曖昧になっていることも課題である。」

BIMについて
「公共建築工事で本格的に導入されると、メーカーや施工者の早期関与など、これまでの設計・施工分離発注の仕組みが大きく変わる。公共発注者自らでは、実際動き出しづらいのではないか。」

次世代の担い手について
「これまでの大学教育については、建築生産システムの急速な変化と新しい価値観に対応できておらず学生側とギャップがある。」