日建協2025年政策提言 持続可能で魅力的な産業を目指して

日建協では、建設産業のかかえる諸課題解決のために、国土交通省本省、各地方整備局、北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局に対して政策提言を行っています。今回は8つのテーマについて提言を行いました。今号では2025年度の提言活動における国土交通省の回答と施策を抜粋しお伝えします。
日建協提言書 http://nikkenkyo.jp/downL/teigen/2025.04-2025seisakuteigen.pdf


 

回 答

  • 労働局の主催している建設業関係労働時間削減推進協議会を通じて、工期に関する基準を継続的に周知しているとともに、週休2日の確保を前提とした適正な工期の設定、建設業における長時間労働の是正等について協力要請等を直に行っている。(東北地方整備局)
  • 令和6年11月に発行された適正工期確保ガイドブックを活用し、各労働局や労働基準監督署と連携し、発注者を含めた関係団体とも会議などを通じて周知に努めていく。(関東地方整備局)

施 策
厚労省・国交省の連盟による労働環境改善要請(2024年11月5日)
適正な工期の確保、建設業で働く方の処遇改善に向けて、厚生労働省・国土交通省の連盟で民間発注者・公共発注者に「建設業の働き方改革等の実現に
向けた取組について(協力依頼)」を発出。

関東地方整備局 工事工程の共有・照合(クロスチェック)
原則すべての工事を対象に、工程表の開示にあわせて設計審査会等において工事工程の照合(クロスチェック)を行うこととした。

◆工事工程表の記載内容
①バーチャート工程表(主たる工種の概略工程)、②関係機関との調整、用地確保等の進捗情報、③準備、後片付け期間、④パーティ数


 

回 答

  • 令和7年度から維持工事等を除く工事を対象として、土日を現場閉所とする完全週休2日を試行している。本官工事について土日に加えて祝日も現場閉所としている。(近畿地方整備局)

施 策
改正建設業法 2025年12月までに工期ダンピングの禁止
段階的に施行がなされていた2024年成立の第三次・担い手3法のうち、受発注者の工期ダンピングの禁止が、2025年12月までに施行。「工期に関する基準」における通常の工期よりも著しく短い工期による契約を行った場合に、発注者に加えて受注者も禁止される。違反した建設業者には、指導・勧告の監督処分が下される。


 

回 答

  • 建設業の担い手確保に向けた魅力発信として若者や女性に対する情報発信が重要と考え、建設業振興基金などの関係団体や省庁と連携し、建設産業人材確保育成推進協議会にて建設業への入職促進に取り組んでいる。(国土交通省本省)

施 策


 

回 答

  • 注文者との合意がなされていれば監理技術者の途中交代、復帰に関してもマニュアルの規定上は受発注者間の合意があれば問題はない。(国土交通省本省)
  • 整備局発注の土木工事(営繕と港湾を除く工事)で、監理技術者の産後パパ育休の取得について、令和6年度1件の事例が確認できた。(中国地方整備局)

おわりに

今回の提言活動において国交省は、将来の担い手確保や建設産業の魅力向上、働く者の処遇改善、何より担い手の不足に対して強い危機意識を持っていることがわかりました。また、本活動において国や地方の行政と連携し建設産業の魅力向上に寄与することは重要な活動であると感じます。
日建協は今後も、持続可能で魅力的な産業を目指して政策提言活動を行っていきます。