東西組合細見 neo21/野村労働組合

野村建設工業は、1945年8月に野村財閥の不動産を引き継ぎ不動産賃貸業と建設業を兼営する企業として創業しました。その後、1989年8月に業務拡大、発展させるため不動産部門(現 野村殖産)と建設部門(現 野村建設工業)に分社独立し、現在に至っています。
野村労働組合は、1946年7月に結成され、分社独立した野村殖産株式会社と野村建設工業株式会社の2つの会社の組合員から構成されています。組合事務所は、大阪市中央区高麗橋にあり、戦前より続くモダンな社屋に構えているのが特徴的で2026年に結成80年を迎えます。

◆ 設 立:1946年7月◆ 組合員数::90名(殖産23名、建設67名)(2025年2月21日現在)
◆ 本部執行委員数:11名(殖産 2名、建設 本社・大阪本店 6名、建設 東京本店 3名)◆ 組織率:
◆ 支部数:2支部◆ 執行委員会:年10回(リモート併用)

時短や作業所閉所にむけた取り組み

神原執行委員長(建設)

時短や作業所閉所にむけた取り組みとして、野村建設工業の本社・大阪本店と東京本店では、それぞれに「工事サポート室」を設置し、作業所の安全書類や各種図面、届出書類作成のサポートをすることで、外勤者の業務負担を軽減しています。また、外勤者を対象に毎週ノー残業デーを設定し、18時にパソコンを強制シャットダウンすることで、社員の残業を減らす努力をしています。東京でも、4週8閉所(週休2日)を見込んだ工期での契約やITツール、アプリの導入により、現場終了後の事務作業の軽減や効率化を図っています。これらの取り組みを通して、時短や作業所閉所にむけた組合員の意識も向上しています。

労使協議の効率化にむけて

吉岡副執行委員長(殖産)

労使協議の効率化を図るために、賃金要求などは冬期と夏期に分けて、野村殖産と野村建設工業で各々交渉を行っています。冬期は、9月から執行部会を経て要求案の作成を開始し、10月に職場集会で組合員への要求案に対する意見のヒアリングを実施、代議員会で要求案の決定を行い、会社へ要求します。そして、11月に会社からの回答を検討する職場集会を開き、妥結へと向かいます。夏期は、1月から冬期と同様に、4月の妥結へ向けて労使協議を進めています。このサイクルにより、組合員の意見を反映しやすくし、柔軟な対応が可能となっています。また、新執行部選挙を7月に行い、8月末に執行部交代を行うことで、組織の新陳代謝を図っています。

組合員間のつながりを重視

吉野副執行委員長(建設)

野村建設工業では、組合活動とは別に会社主導の野球やゴルフ、釣りなどのクラブ活動も数多くあり、組合員も各々参加しています。これらの活動や組合独自の活動を通して、組合員間での交流やコミュニケーションが活発となり、風通しの良い職場が形成されています。また、組合員同士の仲がとても良く、特にヨコのつながりを重視していることで、執行部からのフォローが要らないほど組合員の結束力が強いのが特徴です。

 

組織バランスの持続に注力

古家書記長(建設)

最近では、野村建設工業の東京本店での建築工事受注の拡大に伴い、大阪から東京へ転勤する組合員が増加しています。これにより、大阪本店と東京本店の在籍組合員数や会社への要求に対する要望などにも影響がでていることから、今後は大阪本店と東京本店の執行委員間でのコミュニケーションをさらに強化し、組織全体のバランスを保つことに注力していきます。

 

 


野村労働組合は、野村殖産と野村建設工業の2つの会社の組合員から構成されており、日建協加盟組合の中でも稀な組織体系です。今回の取材においても執行部間のつながりや組合員とのコミュニケーションを大切にされている様子がうかがえ、風通しの良い理想の職場や組合であると感じました。取材にご協力いただきました神原執行委員長、吉野副執行委員長、吉岡副執行委員長、古家書記長、ありがとうございました。