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ピーエス三菱労働組合

2002(平成14)年、株式会社ピー・エスと三菱建設株式会社が合併し、株式会社ピーエス三菱が発足しました。日本で初めてプレストレストコンクリート(PC)を企業化するために設立された株式会社ピー・エス(当時の企業名はピー・エス・コンクリート株式会社)とゼネコンの三菱建設株式会社が合併したことから、現在ではプレストレストコンクリート技術に特化したゼネコンとして、各種の建設工事に実績を残しており、特に橋りょうに関してはトップクラスの実績を誇っています。その実力は、同社のHPで紹介されている石川県の「大巻どんど橋」や名古屋市の「赤とんぼ橋」でも見られるので、ぜひ確認してみてください。どちらの橋りょうも景観賞を受賞するだけあり、写真を見るだけでもハッとする美しさがこちらにも伝わってきます。


● 設  立 : 2003年3月18日
● 組合員数 : 347名 (2010年6月30日現在)
● 支  部 : 3支部 7グループ
● 本部執行委員数:5名
● 執行委員会:月平均5回
2010.7 取材

後列左より 山本賃金対策部長、藤田時短推進部長
前列左より 藤塚副書記長、富安委員長、今村書記長
大巻どんど橋

あかとんぼ橋


スペース
 最近では特に時短推進活動に力を入れて取り組んでいるとお聞きしました。

大きく分けて3つあります。まず1つ目として、今年7月から新たに支部・グループ毎で時短推進検討委員会を開催しています。長時間労働の改善について、なかなか進展していない現状があり、組合から会社に対して委員会開催を申し入れ、支部・グループ毎で労使も含めた時短推進検討委員会を開催しました。労使で原因を究明し対策を講じることで長時間労働の改善を図りたいと思っています。委員会を開催することで効果が期待できるようであれば、会社組織であるワーキンググループの正式な設立を目指しています。
次に今年5月から新たな就業システムを導入しました。時間外労働を行う前に、事前に上長へ残業申請を行うこと、また上長は申請内容を確認し承認を出すことで初めて残業を命令し、時間外労働ができるというシステムを構築しています。組合員の業務に対する時間管理の強化を図ること、また時間外労働に関しては管理職の意識が欠如していることが問題視されていたので、このフローを行うことで管理職の時間管理に対する意識の向上を図っています。
最後に、今年の4月から36協定の締結時間を全社的に1ヶ月60時間、年間で450時間とし、その時間を超えそうな場合は、各場所の時短推進検討委員会で労使協議を行い、人員を増員することや締結時間の見直しを図ることにより場所毎で対応することにしました。現実の時間外労働時間実態に照らし合わせれば締結時間を現状に即した時間で締結することも方法として考えられますが、短い時間で締結し、「労使協議による各場所の実情に即した締結時間の見直し」というハードルをひとつ設けることで、労使の意識を総労働時間に真剣に向かせることを考えました。時短推進検討委員会では今回締結した36協定の違反が無いかチェックを行い、事情に即して、労使で人員増員などの対策を行うことで、時間外労働の削減につなげていきます。

 「ワーク・ライフ・バランス」の取り組みについて、どうお考えですか?

「ワーク・ライフ・バランス」の取り組みですが、当労組では、休暇の取得向上や時間管理の徹底に努めることにより「仕事」と「充実した生活」の両立を目指しています。時短推進活動を強化することによって、個人の趣味の時間や家族と過ごす時間を増やすことに対する意識を向上させることで、「ワーク・ライフ・バランス」の浸透を図りたいと考えます。
労働災害の原因は様々ですが、ヒューマンエラーによる事故は長時間労働による注意力散漫などが少なからず起因していると感じています。品質の良い製品を製造することは当然ですし、事故を起こさないこともまた当然のことです。そのためにも仕事と生活の調和を図ることは重要であると考えます。なぜならより良い仕事は、充実した生活から生まれると思うからです。このことを念頭に、「ワーク・ライフ・バランス」の充実のためにも、今年度は就業システムの導入や36協定の締結時間見直し、時短推進検討委員会の実施により時短推進活動を強化したいと考えています。

富安委員長 藤塚副書記長 今村書記長
 建設産業の魅力化にむけて何が必要だと考えますか?

建設産業のイメージとして、未だに3K(きつい・きたない・危険)というイメージが強く残っていると思います。確かに他産業と比較すれば、3K色は未だに強いかもしれませんが、近年は労働時間短縮の取り組みや手当の拡充などによる労働環境の改善、また安全対策の強化が図られていることにより、実状は過去からのイメージとは異なってきていると思います。
建設産業の魅力化については、日建協が大学で行っている出前講座での産業の魅力を話す場も必要だと考えますが、小・中・高校生を対象に建設業の魅力を広報することが、建設業の将来の発展にむけて必要であると思います。例えば、高校生であれば大学のオープンキャンパスの場など利用できないかなと思います。

 今後、取り組みたいと考えている課題や目標があったら教えてください。

現在の目標は、時短推進検討委員会を「会社主導のワーキンググループ」として設立することです。現状は組合が主導となって実施しておりますが、会社の組織活動としてのワーキンググループとすることにより、労使一体となった時短活動の強化を図りたいと考えています。

 組合員からの意見で、気になっていることはありますか?

組織率が低いことを心配に思う組合員から意見が寄せられました。近年、当単組においては組合員比率が減少しています。昨年度の秋季交渉において、従業員構成の見直しを締結し、組織率の改善は図られたのですが、依然として低い組織率となっています。会社は組合員数が減少しても労使一体の関係は今までと同様に取り組んでいくという考えを示していますが、やはり組織率を上げていくことは組合にとって必要不可欠な取り組みです。単年度で大きく改善できるほど容易なことではありませんが、会社に対しては、今後も継続的に従業員構成の見直しにむけた協議を重ねること、また、新入社員の継続的な採用を提言しています。

「時短」「時短」と言うだけでなく実際に取り組みのアイデアを生み出し、真摯に取り組んでいる執行部からは、組合員の労働環境に対する強い改善意欲が感じられました。今回、ピーエス三菱労働組合執行部のみなさんからは紙面では紹介しきれないほどのお話しをしていただけました。
お忙しいなかで取材協力いただいた執行部の皆さん、どうもありがとうございました。

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Compass Vol.786