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わたしたちのワーク・ライフ・バランスを実現し、心と体の健康を保つには、時短推進活動に積極的に取り組み、何よりまず長時間労働を改善していく必要があります。
個人ではなかなか思いつきにくいアイデアを募集して、寄せられた良い事例やアイデアを水平展開することで、みんなで時短を推進していくために第1回時短アイデア大賞を開催しました。

広くみなさんから募集した「時短アイデア大賞」には、100件もの時短に関する取り組み事例やアイデアが寄せられました。
アイデア段階のものだけでなく、実際に取り組んでいる事例も約3分の1を占めました。会社全体で取り組んでいる事例から、個人レベルで意識と仕事の進め方を変えようというもの、労働基準法等のワークルールの整備が必要という意見まで幅広く、時短に対する思いのこもったアイデアが寄せられました。

作品集へこうして集まった時短アイデアや図画作品について、加盟組合から参加いただいた時短推進委員のみなさんと審査を行った結果、それぞれ入選作が決定しました。
大賞や優秀賞、入選また惜しくも選外となった事例やアイデアは、冊子形式にまとめて日建協ホームページにてPDFで公開しています。
組合の職場会や部署において、これをきっかけに話し合い、お互いに働きやすい職場環境を目指して、職場のサポートや雰囲気づくりをすすめることで、時短推進の一助としてください。
実際にいくつかの入選作品のアイデアも、職場や組合で時短について話し合ったことがきっかけになっています。

また、日建協のホームページに掲載することで、建設産業で働くみなさんにも広く公開しています。多くのみなさんに活用してもらい、建設産業全体を働きやすいものにしたい、私たちと一緒に時短や産業の魅力化に取り組んで欲しいと思います。


 「帰宅時間申告ボード」は、各自の席(パソコンのモニター上部)にスチレンボードで作成して取り付け、赤色の目印をスライドさせることで、帰宅目標時間を表示するものです。シンプルなアイデアですが、目標時間を各自設定することで意識してメリハリをつけ、「見える化」されることで、チーム全体でお互いに意識しながら仕事を進めることができるという実際の取り組み事例です。


今回応募した『帰宅時間申告ボード』は、部内会議の中で、残業の多い設計部が「どうすれば時短することが出来るか」というテーマで話し合った際に生まれたものです。
時短のためには、個人への負担を集中させることなく、チーム全体で問題解決し、作業を進めることが大事だと思います。そのためには、各個人がその日の帰宅目標時間を設定し、それをチーム全体で意識しながら仕事を進める必要があるのではないかという思いから、帰宅目標時間を誰にでも見えるように表示しようと考えました。
今回たまたま私の名前で応募させて頂きましたが、『帰宅時間申告ボード』は部内での話し合いの中から生まれたアイデアと、若手のデザインセンスのたまものです。
日常行っている部内活動がこのようなかたちで評価を頂き、驚きと共に大変うれしく思います。

シミズユニオン
中村 徹さん

※『帰宅時間申告ボード』の作り方紹介はこちら


 「わたしの『休日宣言』」は、作業所の土曜閉所日や自分が休む予定をした土曜日など、休日に何をするかを所定の用紙や付箋に家族に書いてもらうなどして、デスクや作業所の予定表に表示するアイデアです。休日の行動予定を立てることで、休日に向けて仕事を進めるモチベーションを上げることができます。また、こうした取り組みにより周囲を巻き込んで時短の輪を広げることが期待できます。


この度は「時短アイデア大賞」にて優秀賞をいただき、ありがとうございます。受賞の報を聞いたときは、驚きと喜びでいっぱいでした。私のアイデアが少しでも皆さんの時短に結びつけば嬉しく思います。
このアイデアは、以前現場オルグで時短について議論した時に、組合員一人ひとりが今の現状を変えようとする意志を持つこと、そしてそれを実行することが大切だという話がありました。まずは自分から。自分ひとりなら、やるかやらないかです。そして、それを実行するために周りの皆にどう知らせるか、ということを考えた時に浮かびました。
「私の休日宣言!」をすることによって休日をとる!という気持ちが狼煙として周りの皆に伝わるように、また周りの皆にも広がり、職場の中でワーク・ライフ・バランスの実現の一助になったとしたら、嬉しく思います。

名工建設職員組合
伊與田 尚秀さん


ワンデーレスポンスに作業所と全社の関係部署が連携して取り組むことで、手待ち時間も少なくなり、工事を円滑に進めることができ、時短につながります。
さらにワンデーレスポンス掲示板は、期限によって色分けした対応表に、業務内容を付箋に書いて貼っていくことで、先輩と直接話しづらい場合にも若手が業務を抱え込むことが少なく、サポートや業務の平準化を行うことで時短につながります。

今回の取り組みは部署間の連携不足を解消する方法がないかと考えた事がきっかけでした。他部署に業務を依頼するとき、現場と本社とでは緊急度に対する認識に温度差があり、対応が遅れて業務に支障をきたす事がありました。ワンデーレスポンス掲示板はこの問題を解決する為の1つの手段として、まずは身近な現場内で取り組んだものです。掲示板を利用し職員の業務内容を明確にすることで、バランスよく業務分担ができ、一人の職員の業務が増えてしまった時は全員でフォローを行いました。このことで現場内に起こりうる問題を早期に解決できました。
取り組みは社内にも展開され、部署間同士の打合せもみんながワンレスを意識することで以前より回答も早くなり、手待ち時間が減り、業務を効率的に行うことでき、時短につながりました。これをきっかけに、誰かが私たちの取り組みをヒントにし、更によりよい時短アイデアが生まれ、建設業全体に波及していけばいいと思います。

大和小田急建設労働組合
廣垣 大祐さん


他にも幅広く取り組みやアイデアが寄せられました。
例えば、月1回の作業所土曜閉所にあわせて、金曜日をノー残業デーにする取り組み事例や作業所での打ち合わせにおいて各個人の業務確認を行い仕事のサポートや平準化を図っている取り組み事例、組合全体で「やってみよう行動一覧表」を作成して取り組んでいる事例、組合全体でデュアルモニター等IT活用等での効率化を推進している事例、労使が協力して社内帳票の削減や書式統一に取り組んだ事例などが寄せられ、組合員のみなさんが日頃から職場で時短にしっかりと取り組まれていることが伝わってきました。

また、残業が当たり前になっている意識を変えてノー残業デーではなく『頑張るデー』を限定してメリハリをつけようというアイデア、作業所全体で目標となる「削減時間」を設定して、ノー残業デー他に協力して取り組むアイデア等々が寄せられ、今後の私たちが時短推進活動を進めていくうえで参考になり、かつ勇気づけられるものでした。

打ち合わせによる個人の業務確認

デュアルモニターによる効率化

また、職場全体での取り組みだけでなく、通勤時間や始業前の時間の活用、エクセルの読み上げ機能による作業効率化といった個人レベルで取り組めるものもあります。
まずは「自分から」ということで、既に時短に取り組まれているみなさんも多いと思いますが、自分に合うものを見つけて、さらに時短やワーク・ライフ・バランスを進めていただきたいと思います。

時短アイデア大賞と同時に募集した図画コンクールにも「家族と休みの日にしたいこと」をテーマに、家族と過ごす休日に想いを込めた素晴らしい絵が160作品も寄せられました。
熱心に描かれた数多くの絵を前に、審査員もかなり頭を悩ませましたが、予選投票と決戦投票の結果で金賞6作品、銀賞10作品が選ばれました。

その他の作品も素晴らしい出来映えです。日建協では作品集(PDF)に全作品を載せております。ぜひご覧ください。

作品集(PDF)へ

こども達に描いてもらった絵をつうじて、「キャッチボールをパパと一緒にしたい」「海で一緒におよぎたい」など、今まで気付かなかった思いを知り、コミュニケーションをとる良いきっかけになったという声などが寄せられました。
また、なんとか時間をつくって、年に1回は家族を近くでもどこか旅行に連れて行ってあげたい、思い出を作ってあげたい、思わずそんな気持ちにさせられます。

日建協では、この時短アイデア大賞の結果を建設専門紙や労働新聞などにプレス発表を行いました。
私たち組合員自らがまず労働時間短縮に取り組んでいる姿勢を示すことによって、加盟組合企業や経営者団体、行政などに対し、労働時間短縮に向けた更なる努力や協力を効果的に要請することができるのです。

(7月13日付建設専門紙掲載記事)

時短アイデア大賞と図画コンクールの入賞者をお招きして、8月3日に受賞式を開催しました。
日建協の定期大会にあわせて開催し、加盟組合の代議員や来賓など多くのみなさんに祝っていただきました。時短推進に向けたこの受賞式には、時短アイデアの受賞者だけでなく、小学校入学前から6年生までのこども達とご家族も集まり、第1回受賞式にふさわしい賑やかなイベントとなりました。

時短アイデア受賞者のみなさん
図画コンクール受賞者のみなさん
ロビーにて図画を展示
受賞式控室 みんなワクワク

加盟組合では、すでに活用されたところもあります。フジタ職員組合では、日建協の表彰と別に独自に時短アイデアの表彰と図画コンクールの表彰を行い、労働時間短縮にむけた意識高揚に取り組みました。
また、7月に自社の労使で初めて取り組んだ「一斉土曜閉所日」のポスターに自組合で表彰した図画作品を早速活用されてい
ます。 

多くのみなさんに参加いただき、今回の取り組みを行うことができました。本当にありがとうございました。
その成果物である「事例・アイデア・作品集」を、職場での話し合いでみなさんに活用してもらうだけでなく、日建協が行う、行政・経営者団体・加盟組合企業に対する労働時間短縮への協力要請や各種提言に際し、時短への私たちの取り組み資料として活用していきます。

今回の取り組みを活かした、みなさんの更なる時短への取り組みやアイデアが、働きやすい建設業の未来へとつながるように期待しています。みんなで一緒に、労働時間短縮、そしてワーク・ライフ・バランスに向けて頑張りましょう。


Compass Vol.786 一括PDFはこちら(11.6MB)


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