青山議長メッセージ第4回 2026年の活動にあたって
新たなステージへ
誰からも選ばれる・魅力あふれる産業を目指して

日建協第3回定期大会
皆さん、こんにちは。日建協議長の青山です。
はじめに、令和8年7月28日に熊本県熊本地方で発生した地震により甚大な被害が生じましたことに対し、被災された皆さまに謹んでお悔やみを申し上げますとともに、心よりお見舞い申し上げます。
また、2026年は、全国各地において豪雨・台風・土砂災害等の自然災害が相次ぎ、広範な地域で深刻な被害が発生しました。被災地におかれましては、今なお復旧・復興に向けたご尽力が続いており、厳しい生活環境の中でご不安を抱えながら日々を過ごされているものと推察します。被災された皆さまの安全の確保と、復旧・復興が一日も早く進展いたしますことを、心より祈念申し上げます。
さて、第103回定期大会を終え、日建協の2026年度の活動がスタートしました。
加盟組合の皆さんにおかれましては、労働環境の改善や労働条件の向上にむけ、日頃より精力的に活動に取り組まれているなかで日建協の活動へのご理解とご尽力を賜り、深く感謝申し上げます。
議長としては2年目、日建協としては3年目となりますが、大役の責任をしっかりと果たせるよう、引き続き建設産業の魅力向上、組合員の皆さんの処遇向上、労働環境の改善をはかっていきます。これから1年間どうぞよろしくお願いします。
さて、昨今の世界情勢に目をむけると、ロシア・ウクライナ情勢や中東ガザ地区の紛争は依然として収束の兆しが見えず、2026年に入っても国際社会は不安定な状況が続いています。さらに、ベネズエラやイランの国内情勢は不透明さを増し、米国では自国第一主義的な政策が再び強まるなど、地政学リスクは一段と高まっています。一方で、米中対立は経済・技術・安全保障の各分野で緊張が続き、世界のサプライチェーンや貿易環境に深刻な影響を及ぼしています。こうした政治・安全保障上の不確実性に加え、世界各地で異常気象が頻発し、食料供給の不安定化やエネルギー価格の変動を招くなど、世界経済は複合的かつ構造的なリスクに直面しています。
日本経済においては、2025年10月に高市早苗氏が日本の憲政史上初の女性内閣総理大臣に就任し、高市政権が発足しました。企業収益の改善や設備投資の持ち直し、賃上げの継続など、前向きな動きが見られる一方で、資材・エネルギー価格の高止まり、為替の変動、国際情勢の不透明感など、先行きには依然として多くの課題が残されています。人口減少と労働力不足が急速に進むなか、生産性向上や産業構造の転換は避けて通れないテーマとなり、人的資本への投資やデジタル化の加速が強く求められています。
建設産業においては、深刻化する担い手不足の確保・育成の問題や高止まりしている建設資材価格の問題など、依然として厳しい環境にあります。そのような中で、2025年6月には「第1次国土強靱化実施中期計画」が閣議決定され、巨大地震の切迫性、激甚化する風水害、老朽化インフラの増加といった喫緊の課題に対応するため、従来を大きく上回る規模と明確な方向性が示されるなど、今後の国土づくりにおける大きな節目となりました。さらに、2025年12月には、改正建設業法・入契法・品確法からなる「第三次・担い手3法」が全面施行され、労務費の基準の導入や標準請負契約約款の見直しなど、技能労働者の処遇改善にむけた制度整備が着実に進展しました。 また、公共工事設計労務単価は継続的に引き上げられ、外国人材の「育成就労制度」に関する議論も前進するなど、担い手確保にむけた制度面の整備も広がっています。
私たちの労働環境に目をむけると、2025年11月を対象とした時短アンケート結果では、所定外労働時間の全体平均が29.2時間と、アンケート調査以来、初めて20時間台を記録するなど、全体の労働時間は減少傾向にあるものの、全産業と比較すると依然として長時間労働が続いています。また、過労死ラインとされる月80時間以上の時間外労働を行った組合員は一定数存在し、実労働時間と申告時間の乖離も長時間労働者ほど大きい傾向が見られます。建設産業は社会資本の整備・維持管理を担い、災害時には地域の安全を守る重要な役割を果たす産業であるからこそ、労働環境の改善は喫緊の課題です。
これらをふまえ、2026年度の日建協は、これまでの活動の延長ではなく、産業全体を次の段階へ押し上げる挑戦の年度とし、働きたい、関わりたいと多くの人に選ばれる存在へ大きく進化させていくという強い思いを込めて、「新たなステージへ 誰からも選ばれる・魅力あふれる産業を目指して」をスローガンに掲げ「産業政策活動」と「加盟組合支援」を2本柱として、外部への発信や産業の魅力向上の強化にむけた活動を推進します。
産業政策活動では、「政策提言」を重点に据え、作業所アンケートや時短アンケート、政策提言アドバイザー会議を通じて産業の実態を把握し、行政機関や業界団体に対して働く者の立場から積極的に意見発信を行います。また、他団体との意見交換を通じて、建設産業の魅力発信、働き方改革の推進、担い手確保、単身赴任者の帰宅旅費の非課税化にむけた取り組みをさらに強化します。
加盟組合支援では、「4週8閉所ステップアップ運動」「多様な働き方の推進」「賃金体系の確立」「賃金交渉の充実」を重点活動として進めます。時間外労働の上限規制適用から2年が経過し、適正申告の徹底や総労働時間の削減は引き続き重要なテーマです。また、日建協賃金政策・個別賃金改訂にむけ、賃金体系の確立を進め、組合員が安心して働き続けられる環境づくりを支援します。
ここ数年の建設産業では、働き方改革の実現や担い手確保という共通の課題にむけて、行政機関、業界団体、労働組合が一体となり取り組みを進めていることで、私たちの処遇を含めた労働条件や労働環境は着実に改善しています。しかしながら、所定外労働時間や休日・休暇取得などに目をむけると、他産業と比べ見劣りする面も多く、まだまだ改善の余地があります。また、近年、担い手の確保と強い賃上げ機運のもと、初任給をはじめ私たちの処遇は大きく改善していますが、生産性の向上なくして成長と分配は持続しません。次世代に選ばれ、魅力あふれる産業へとさらに変えていくためには、これまでの慣習や常識にとらわれず、新しい感性・発想をもって産業のあるべき姿、働き方を私たち自身が描き、実践していく必要があります。

日建協ビジョン2030新ロードマップ
最後になりますが、私たちが掲げる日建協ビジョン2030は、策定から中間期を迎えました。2026年度は、新たなロードマップのもと、2030年の最終目標を掲げるとともに私たち日建協が描く建設産業のありたい姿・あるべき姿の実現にむけ、加盟組合の皆さんとこれまで以上に連帯した活動をめざし取り組んでまいります。そして、これまで築きあげた取り組みを継承しつつ、変化に柔軟に対応し、「誰もがいつまでも働ける、誰からも誇りに思われる産業」を加盟組合の皆さんとともに創り上げていきましょう。
日建協ビジョン2030(2026改訂版)と新ロードマップの紹介ページ
日建協ビジョン2030(2026改定版)
日建協ビジョン2030中間実績
日建協ビジョン2030新ロードマップ
日建協ビジョン2030新ロードマップ(詳細版)
