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賃金交渉は私たちの生活を守るために、とても大切な取り組みです。また、一人ひとりの思いを労働組合をとおして会社に伝えることのできる絶好の機会です。自分たちの生活を見つめ直し、職場会などをつうじて積極的に声を出し、まさに、魅力ある産業、満足ゆく生活を実現させるためにぜひ、力を合わせて賃金交渉に取り組んでいきましょう。
今回の「賃金交渉特集」では、私たちの現状についてこのスローガンをキーワードに考えてみましょう。

「魅力ある産業」
力ある建設産業にしていくための一つの要素として、賃金は大きな意味を持つものであり、他産業に見劣りしない賃金水準を確保することが必要です。しかしながら、他産業と日建協の年収(35歳)の比較(図−1)をみてみると、日建協平均(加重平均)が他産業を下回っています。建設産業を取り巻く状況が厳しいなか、私たちの賃金水準は低下しています。他方、労働時間について11月の時短アンケートから残業時間をみると全体で62.8時間、外勤者では82.5時間であり、依然として増加傾向にあり労働環境は悪化の一方です。
今こそ働く誇りを持ち続け、労働意欲を維持向上させるためにも、私たちの労働力に対する正当な対価を要求するべきです。それが魅力ある産業に繋がっていくのです。


「満足ゆく生活」
足ゆく生活をおくるためには、将来を見据えた安定的な収入が不可欠です。
日建協家計調査(図−2)によると、依然として4割以上の方が「苦しくなった」と回答されています。また自由意見欄には、「毎月の給料では赤字になってしまい、一時金や貯金で補充している」「手元に残るお金のほとんどが食材費に消え、生活は苦しい」といった家族からの家計に余裕のない切実な声が、たくさん寄せられています。さらに今後、定率減税の廃止や社会保険料の料率の上昇による、家計にしめる税金や社会保険料の負担が大きくのしかかってくることも予想されます。
収入が伸び悩む状況が続き、支出を切り詰め、生活が抑制されていることを、みなさんも感じているのではないでしょうか?


「実現しよう、力を合わせて。」 ―日建協個別賃金水準の実現をめざして―
現のためには、加盟組合が一体となり、目標を共有して賃金交渉に取り組んでいくことが必要です。日建協では、この為に2007年賃金交渉基本構想を策定しており、柱となる要求基準では、日建協個別賃金水準の実現をめざしています。
日建協個別賃金水準とは、私たちが満足ゆく生活をするため、今後の生活を見据えた安定した生活を確保するための必要な賃金水準 “あるべき水準” をあらわしたものです。昨年の交渉では、多くの加盟組合が一時金において前年実績以上の妥結をしており、一昨年から賃金水準に回復の傾向がみられます。 しかし私たちが必要としている“あるべき水準”とは依然として乖離があり、引き続き共通の目標にむかって着実に取り組んでいかなければなりません。建設産業を取り巻く環境は、公共工事の削減や、受注競争の激化の影響により先行きの厳しさが予想されます。将来にわたって満足ゆく生活の実現のためには、私たち組合員一人ひとりの思いを声に出し、組合本部とともに連帯意識をもって経営者に強く訴えていくことが必要です。
また、今年の要求基準には初任給の水準向上も目標に掲げています。日建協調査によると、学生は初任給が相場より低いことについては意識するようです。昨年来、他産業では初任給水準の上昇傾向が強まり、建設産業との間に格差が生じてきています。優秀な人材の確保、そして産業全体の魅力向上のために、ぜひとも取り組まなければならないことです。
魅力ある産業、満足ゆく生活を実現させるために、みなさんでを合わせて今年の賃金交渉にのぞんでいきましょう。


2007年 日建協賃金交渉要求基準

全加盟組合は、日建協個別賃金水準の実現にむけて、連帯意識をもって賃金水準の向上に全力で取り組むものとする。

1.月例賃金  加盟組合はめざすべき到達ラインを設定し、月例賃金の水準向上にむ
          けて、計画的に取り組むものとする。
2.一 時 金  加盟組合は生活給である一時金の水準向上にむけて、強い姿勢で取り
          組むものとする。
3.初 任 給  加盟組合は、学卒年齢22歳総合職において201,000円以上の実現にむ
          けて取り組むものとする。
建設産業で働く私たちのあるべき賃金水準
「日建協個別賃金水準」(月例賃金・一時金・初任給)

1)組合員大卒正規入社35歳の基準内賃金
先行ライン 487,900円(基本賃金:471,900円)
標準ライン 405,800円(基本賃金:389,800円)
底上げライン 351,100円(基本賃金:335,100円)
2)一時金:年間で基準内賃金の5ヶ月分以上とする。
3)初任給:学卒年齢22歳の総合職
先行ライン 205,000円
標準ライン 201,000円
底上げライン 200,000円
4)組合員大卒正規入社35歳の基準内年収
先行ライン 8,294,300円
標準ライン 6,898,600円
底上げライン 5,968,700円


〜 充実した賃金交渉のために 〜
12月9日 賃金交渉事前セミナー 参加者 54名

明治大学大学院の山口不二夫教授を講師に迎え、賃金交渉のより一層の充実を図るため事前セミナーを開催しました。
「労働組合から見た建設業の経営分析」をテーマに、企業の公表する経営指標等の数値から建設業の経営分析方法と労働組合から経営者側に対する問い掛け方などを伝授されました。
とくに「経営分析を組合の一つの活動とするとともに、これからは人的資産といった無形固定資産の評価をどうとらえて企業をみていくかが大切である」との話には多くの参加者が共感していました。
セミナー後、教授の経営分析プログラムへの問い合わせが日建協に多く寄せられ、賃金交渉への有効なツールとして、各加盟組合の賃金交渉への実践がうかがえました。

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