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2009年5月21日より裁判員制度がはじまります。
裁判員制度とは、地方裁判所で行われる刑事裁判に、国民の中から選ばれた裁判員が参加する制度です。
裁判員は、刑事裁判の審理に出席して証拠を見聞きし、裁判官と一緒に議論して被告人が有罪か無罪か、有罪の場合には、法律に定められた範囲内でどのような刑にするかを判断します。
裁判員制度の対象となるのは、殺人罪、強盗致死傷罪などの重大な犯罪の疑いで起訴された事件です。原則として、裁判員6人と裁判官3人がひとつの事件を担当します。
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裁判員の選任手続きとして、まずは私たちの住民票がある住所を管轄する地方裁判所により、選挙人名簿の中からくじ引きが行われて候補者名簿が作成されると同時に本人に通知があります。
その後、個々の裁判を担当する裁判員を決定するために、候補者名簿の中からさらにくじ引きにより裁判員候補者が選ばれ、裁判所から事前に通知と呼び出しがあります。
裁判所から呼び出しのあった候補者の中から最終的に裁判員が決定されます。つまり、有権者であれば誰でも裁判員に選任される可能性があります。
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裁判員が選任されるまでの手続き
では、私たちが裁判員に選ばれた場合、具体的にどうすればいいのでしょうか?
段階ごとに次のような行動が必要です。

まず、前年12月ごろに裁判員候補者名簿に氏名が掲載された旨の通知が送付された際には、
● 職場の上司に翌年一年間は、裁判員として職場を離れる可能性があることをあらかじめ報告しておく。

そして裁判の6週間前に、実際に裁判員候補者として裁判所から呼び出しがあったときには、
● あらためて上司と相談し、期間中の職務の分担や応援
の要請などを具体的に調整する。
● 休日取得の手続きを行う。
● 作業所であれば、発注者や現場を監理する設計事務所などへも事情を説明して予定される期間の対応について協議する。

まだこの時点では裁判員に選ばれる可能性があるという段階ではありますが、裁判員候補者として裁判所に出向いた日の午前中に手続きを経て裁判員に選任されると、その日の午後以降、数日間は連続して裁判員として努めることになりますので、呼び出しのあった日だけでなく、あらかじめ裁判が予定される期間(呼び出し状に記載された期間)、職場を離れる準備をしておかなければなりません。
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裁判員候補者名簿への掲載が通知された時点で、翌年一年間で、どうしても参加が難しい時期が前もってはっきりしている場合には、その理由を調査票に記入して裁判所に返送しましょう。裁判所がやむを得ないと認めた場合には、その時期の裁判においては、裁判員候補者としての呼び出しはありません。
また、呼び出しがあった段階で、どうしてもその期間に職場を離れられない場合には、送付された質問票にその旨を記載し、裁判所に返送しましょう。
他人に仕事を代わってもらえない特別な事情があるか、仕事や生活に深刻な悪影響が出るかという観点から、辞退理由を認めるかどうかを裁判官が判断します。
さらに、あまり考えたくありませんが、裁判に参加していた途中で、作業所において自身が対応しなければならないような大きなアクシデントが発生したり、家族の危篤など、裁判員を継続できないような急用ができた場合にも、辞退が認められることがあります。(裁判は補充裁判員が引き継ぐことで継続されます)
このように、やむを得ない事情があれば、裁判員を辞退することも認められます。
しかし裁判員として裁判に参加することは、国民の権利であると同時に義務でもありますので、私たちが裁判員に選ばれた際には、職場の理解を得ながら極力、裁判に参加できるように調整しなければなりません。
また逆に職場の仲間が裁判員に選任された場合にはその人が参加しやすいように、まわりがバックアップしてあげたいものです。

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裁判員候補者として一年を通して名簿に名前が記載される人数は、30万〜40万人程度が予定されています。
このうち、何名の候補者が裁判員の選任手続きのために裁判所に出向くことになるのかというと、仮に通常の事件で50人程度、審理に多くの日数を要する事件で100人程度の裁判員候補者を選んだ場合、平成18年の裁判員制度の対象となる事件が全国で3,111件あったことを前提に試算すると、330人〜660人に1人程度となり、その中で実際に裁判員または補充裁判員として裁判に参加するのは4,160人に1人(0.02%)という確率になります。
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刑事裁判には判決まで何年もかかるというイメージがあるかもしれませんが、最近では事前に事件の争点の絞り込みや証拠の整理を行う「公判前整理手続き」が行われており、審理にかかる期間が短縮されています。
また、従来のように間隔をあけて審理するのではなく、ほとんどの裁判が連日行われる見通しで、最高裁の試算では、裁判員制度の対象事件のうち約7割は3日以内に終わると見られています。
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裁判員には、裁判後もどのような過程を経て結論に達したのか、裁判員や裁判官がどのような意見を述べたかなど、評議の秘密を話してはいけないという守秘義務が課せられます。
裁判の記録から知った事件関係者のプライバシーに関する事項、裁判員の名前などについても守秘義務があり、違反すると6ヶ月以下の懲役か50万円以下の罰金という重い罰則が定められており、守秘義務にかかる事項については、なにげなく職場の仲間にも話したりしないよう十分に注意が必要です。

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日当は裁判員候補者の場合1日あたり8千円以内、裁判員と補充裁判員には1日当たり1万円以内が支払われます。交通費も裁判所までの距離に応じて裁判所が規則で決めた額が支給されます。

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裁判員の通知は裁判員の参加する裁判が行われる地方裁判所の名称が書かれた封筒で届きます。
「裁判員に選ばれた。連絡のために住所、氏名、家族構成、職業を教えてほしい」や「裁判員講習のため数万円を支給するので口座番号を教えてほしい」という詐欺目的の電話がかかってきたという事例もあるようです。
裁判所では電話での連絡等は一切行わないということですので、くれぐれも注意しましょう。

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裁判員法では裁判員の任務のために仕事を休んだ場合に、会社が解雇や給料を減らすなどの不利益な扱いをすることは禁じられています。また、必要な休みをとることは労働基準法でも認められています。しかし、裁判員制度のための休暇制度を設けることまでは企業に義務付けられておらず、有給休暇扱いになるかどうかは、各企業の判断にゆだねられることになります。

しかし、最高裁からは経済団体、企業等にむけて、休暇制度の導入の検討が要請されており、企業の中にはすでに裁判員になる人のための特別休暇の制度を整備しているところも出てきています。

私たちが裁判員として参加しやすいよう、裁判員制度の意義を踏まえた職場環境整備が進められることが強く望まれる中で、日建協としては加盟組合と連携して裁判員制度のための休暇制度導入にむけて取り組んでいきます。

 
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