私の旅の友:↑ これでわかる人はかなりのマニア?



白川郷の全景:建物の向きがほぼ同じことがわかりますか?
■みなさん、あなたの趣味は何ですか?

 加盟組合のみなさん、こんにちは。みなさんのお手元にこのCompassが届く頃は、秋も深まり、北の方では早くも冬支度に向かっているのではないでしょうか。
 さて、突然ですが、「あなたの趣味は何ですか?」と聞かれた時、みなさんは何とお答えになりますか? 読書やゴルフ、音楽鑑賞やスポーツ観戦、文学的なものやインドアからスポーツやアウトドアに至るまで多種多様な答えが出てくることでしょう。
 そもそも「趣味」とは、「感興をさそう状態、あじわい、ものごとのあじわいを感じとる力、このみ、専門家としてではなく楽しみとしてする事柄」(岩波書店広辞苑第四版より)とあります。今回は「私の趣味=専門家としてではなく楽しみとしてする事柄」のひとつの、「ツーリング」の話に少々お付き合いください。また、「趣味」であるため、個人的な趣向や考えを記載していることをお許しください。
 
■ところで、「ツーリング」って?

表−1:二輪車の免許制度の改正内容
免許の種類 排気量 二人乗り 高速道路 取得方法
原 付 50cc以下 不可 不可 試験場での一発試験
or普通自動車免許で可
普通自動二輪
限定(小型)
125cc以下 不可 試験場での一発試験
or公認教習所の卒業
普通自動二輪 400cc以下 試験場での一発試験
or公認教習所の卒業
大型自動二輪 401cc以上 試験場での一発試験
or公認教習所の卒業
 自動車やオートバイで遠出をすることを「ツーリング」といいますが、自動車で出かける場合は「ドライブ」といっているのが一般的でないでしょうか。自動車での「ドライブ」を趣味にあげる人は、この記事を読まれている方の中にも、かなりいらっしゃることと思います。それに比べ、オートバイでの「ツーリング」は、極々少数派であるのではないでしょうか。
 オートバイ=暴走族や危険といったイメージが拭い去れないことや、基本的には最大で2人しか乗ることが出来ないこと、雨が降れば濡れてしまうなど、不便さを感じて敬遠されているのかもしれません。
 しかし、1996年9月の道路交通法の改正にともない、大型二輪いわゆる限定解除の免許証が公認教習所で取得可能になったことや、中・大型のスクータータイプの普及などにより、若干オートバイ人口が増えたことや、昔乗っていた人がカムバックする例が増えたことを何かの雑誌で見たことがあります。同じオートバイ乗りとして、うれしい限りです。

■おいおい!ツーリングの話じゃなかったっけ?

 さて、話をツーリングに戻しまして、私のツーリングの目的は、気分転換と目的地にあります。ただあてもなく遠出するのではなく、目的地に必ずあるもの、そう!「温泉とうまい食べ物」です。
 そもそも、ツーリングと一言で表現していますが、テントやシュラフをリアシートに積み込んだ本格的なロングツーリングや、宿に泊まりながらのもの、日帰りツーリングなど楽しみ方は様々です。
 私の場合、「気分転換」がメインですので、日帰りや宿に泊まっての1泊、長くても2泊程度のものですが、日常を離れ、まったく見知らぬ土地で温泉に浸かり、うまいものを食べると、心身ともにリフレッシュできます。
 そんな私がここ数年、年に少なくとも1回は訪れている、岐阜の小京都「飛騨高山」にスポットを当ててみたいと思います。
 
■快適な高速道路を一路松本へ



 上の図に示したとおり、東京から最もスタンダードなルートは、中央自動車道を利用したものです。都内からですと、松本インターまで約200km強の高速ツーリングです。本来ならば、首都高速道路の最終地点である高井戸から中央道に入りたいのですが、下り方面の入口がないため、いつもその手前の永福から乗っています。永福で料金を払い、しばらく走行すると今度は三鷹の料金所になります。
 調布、稲城のインターを越えてしばらくすると、ユーミンの歌でもおなじみの、東京競馬場が右手前方に見えてきます。さらに進むと、ようやく本線の八王子料金所にたどり着きます。ここで通行券を受け取り、一気に松本へ向かって行きます。
 ところでみなさん、今回このように高速道路で松本に向かっていますが、もし高速道路がなく、一般道で松本に行くことを想像してみてください。高速道路とほぼ平行に走行している国道20号と国道19号を利用することになることと思いますが、トンネルの代わりに山を迂回して走行したり、市街地付近を通過したりして、高速道路利用時の倍以上の時間を要することになると思います。
 昨年来、道路公団民営化の話に端を発し、今後の高速道路建設のありかたを検証することは良いことですが、一部報道の中には、私たちの先輩が社会基盤整備のために心血を注いで建設したものまで、その必要性を疑問視する声や、税金の無駄使い、さらに公共工事そのものが不要であるといった風潮が社会に広がり、大変憤りを感じています。
高山市内  古い町並み
 高速道路の普及により、出発地から目的地までの時間短縮のおかげで、生産性の向上や新鮮な物資の輸送が可能になったことを忘れ、負のイメージばかりが国民の意識の中に働いているのではと考えます。そんな社会からの批判を払拭するためにも、日建協では「時代が求める高速道路のあり方を考える」というレポートを作成し、働く者の立場から意見をまとめ、社会資本整備の重要性を一般国民に広く発信していきたいと考えています。
 さて、話を中央高速道上に戻しますが、渋滞の交通情報で良く耳にする小仏トンネルや上野原バス停を通り過ぎると、談合坂SAが見えてきます。都内から概ね1時間というところではないでしょうか。みなさんの中にも、よく利用されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。私の場合は、道路の混み具合にもよりますが、一気に釈迦堂PAや境川PAまで行っています。
 
■高速道路に温泉?

ハイウェイ温泉 諏訪湖(写真は上り側)
 快適な高速道路をひた走り、諏訪ICを過ぎたところに諏訪湖SAがあります。諏訪湖と諏訪市内を見渡すことの出来るサービスエリアです。
 ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、この諏訪湖SA内に日本で唯一のハイウェイ温泉があります! 下り方面にも、上り方面にも両方あり、高速道路を下りずに温泉が楽しめるようになっています。もちろん湯船からも諏訪湖を望むことが出来ます。ただ、上りと下りで若干入浴料金が異なっていたような気がしますが、600円でお釣りがもらえたはずです。
 諏訪湖SAを過ぎれば、目の前に名古屋方面と長野方面の分岐地点である、岡谷JCTが迫ってきます。進路を長野方面にとり、一路長野自動車道の松本ICを目指します。
 
■国道158号線を高山方面へ

安房トンネル平湯料金所
 松本ICを下り、国道158号を進めば、目的地である高山までは一本道です。ツーリングのオプションのようなワインディングロードを楽しむには、松本IC手前の塩尻ICを下り、国道19号から県道26号経由で上高地乗鞍スーパー林道のコースや、国道19号から国道361号で高山を目指す方法もありますが、今回はおとなしく158号線をひた走ります。
 市街地を抜け、山道に入りしばらく走ると奈川渡(ながわど)ダムが見えてきます。ここから約5kmの所に、県道84号線への分岐があり、また上高地乗鞍スーパー林道へと心が動きますが、ぐっとこらえて直進すると、上高地ホテル前を通り、白骨(しらほね)温泉への分岐路に差し掛かります。さらに直進すると、坂巻温泉、中ノ湯温泉があり、目の前に安房(あぼう)トンネルが見えてきます。
 この安房トンネルは1997年12月に開通したものですが、開通前は国道158号で安房峠を越えていました。ところがこの旧道では、降雨や降雪のため、しばしば通行止めになり、陸の孤島化がおこっていましたが、このトンネルのおかげで、その心配も今はなくなっています。このようなところにも、私たち建設産業が関わる社会基盤整備の重要性や責任感を感じずにはいられません。

■ちょっと寄り道して

平湯温泉「神の湯」:入湯料400円
 安房(あぼう)トンネルの料金所を抜けると、すぐ右手側が平湯温泉です。ここは戦国時代の武将、武田信玄が飛騨方面へ攻め入る途中、猿が湯にひたり傷を癒しているのを見て、この温泉を発見したといわれています。
 現在、日帰り入湯できる温泉は数箇所ありますが、せっかくここまで来たのですから、158号線を安房峠に戻るように進み、林の中の野趣あふれる「神の湯」温泉を目指すことにします。森に囲まれ川の流れの音を聞きながら、ゆったりと湯につかると、ここまでの疲れが一気にとれたような気分になります。
 (神の湯は11/15〜4/15まで冬期休業)

■さあ、高山市内です

宮川沿いの宮川朝市
 再び158号線を高山方面に進路をとり、平湯トンネルを抜けると、雲の上を走ることの出来る乗鞍スカイラインへの分岐が見えてきます。昨年までですと、ここでまたワインディングロードを求める心が騒ぎ出すところですが、今年の5月から環境保護のため、自家用車での通行が残念ながらできなくなってしまいました。現在は観光タクシーか観光バスでしか行けなくなっていますが、雄大な北アルプスの峰々を眺めるには、最高のロケーションになっています。
 ここまで来れば、あと30分強で高山市内に入ることが出来ます。みなさんは高山というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか? 日枝神社の例祭である春の高山祭(山王祭)、秋の高山祭(八幡祭)ともに、市内をからくり人形を配した屋台が練りまわる、祭りのイメージでしょうか。
 または、観光スポットとして有名な「古い町並」や「高山陣屋」前の朝市、宮川の畔を埋め尽くす宮川朝市でしょうか。もし「朝市」が目的であれば、市内に1泊され、早起きして足を運ばれる方が良いのではないでしょうか。地元の新鮮な野菜や民芸品など色々売られています。
 

■やっぱり食べ物でしょ!


↑古い町並み内にある船坂(ふなさか)酒造さんの地酒。
街中のみたらしだんご屋さん→
 冒頭にも書きましたが、私の目的は「うまい物」です。そして高山と言えば、何と言っても「飛騨牛」と「地酒」ではないでしょうか。
 「飛騨牛」に関して、私がいつも訪れている店は、「山武(やまたけ)」さんというお肉屋さんが直営でやっているお店です。店の1階がお肉屋さんで、2階がそこで売っている肉を焼いて食べることができるシステムになっていることと、お肉屋さん自体で牧場を持っているため、他の店より安価で食べることが出来るからです。もう一軒は、「寿々や」さんという店で、飛騨牛以外にも「朴葉味噌」や「陶板焼き」と一緒に、飛騨の地酒を楽しむことが出来るからです。またここは、定食もありますので、お昼に訪れても良いのではないでしょうか。
 「地酒」に関しては、酒造店だけでも10軒を越え、有名なところでは老田(おいた)酒造店さんの「鬼ころし」や二木酒造さんの「氷室」などがあり、各蔵元さんに行けば、必ず試飲が出来るようになっています。「朴葉味噌」をなめながら、ヒヤで地酒を嗜(たしな)むと、ある意味また別の世界へ誘(いざな)われます。

左上:飛騨牛のステーキ
右上:中華そば480円
左下:飛騨牛のにぎり
右下:焼きそばスペシャル(620円)、普通は380円
 高山にはまだまだ美味しい物が沢山あります。街中を歩けば「みたらしだんご」が売られ、「漬物」や「駄菓子」も飛騨の特産品ではないでしょうか。古い町並では「飛騨牛の串焼き」や「にぎり」も売られています。また、「精進料理」や「飛騨そば」も有名店が軒を並べ、最近では「ラーメン」も有名なようです。

 「ラーメン」は、どちらかというと「中華そば」と言ったほうが良いかもしれません。魚系の出汁がベースの醤油味がスタンダードではないでしょうか。ガイドブックなどに出ている有名店に並んで食べたこともあります。しかし、個人的に気に入っているのは、ちょっとハズシ技として、駅から歩いて5分ほどの「ちとせ」さんです。「ラーメン」と称しているのですが、ここの「焼きそば」は、ボリュームといい、値段といい、始めて入ったときとても驚かされました。それで、ちゃんと中華そばもおいてあるので、なぜかいつも両方食べてしまいます。それでも1000円かからないところが、魅力のひとつです。
 
■もう少し足を延ばすと

合掌造りの建物:豪雪を凌ぐための先人の知恵があふれています
 せっかく高山まで来たのですから、もう少し、といっても2時間ぐらいはかかりますが、国道158号を直進し、途中から156号線を進むと、世界遺産登録されている「白川郷」に到着します。ここも数回訪れていますが、田園風景の中、きれいな小川が流れ、そんな傍らに腰を下ろし太陽の日差しを浴びていると、これも私にはこのうえないリフレッシュになります。
 現在、東北北陸自動車道として、飛騨清見―白川郷―五箇山(ごかやま)間の工事が行われています。また、中部縦貫自動車道としても、高山方面に向かって飛騨清見―丹生川(にゅうかわ)間の工事が行われています。これらの道路が開通すると、高山―白川郷間の利便性は格段に向上することでしょう。今回一般道でこの付近を通りましたが、加盟組合企業の看板が出ていました。作業所のみなさん、頑張ってください!
 白川郷までちょっと時間が・・・という方は、高山市内の南西に、合掌造りの集落「飛騨の里」というのがあります。こちらであれば高山駅から10分少々で合掌造りの家を見学することができますので、一度いらしてみてください。
 
■さいごに

私の旅の友:正解=カワサキZX-12R
 今回、高山市内とそれに到る東京からの道筋を紹介させていただきました。まだまだこの紙面上では紹介しきれない、素敵な場所が沢山あることは重々わかっています。逆にみなさんから、「こんなところもあるよ」と教えていただきたいと思っています。
 さて、11月の第4土曜日は「統一土曜閉所日」です。みなさん、思い切って作業所を閉所してどこかに出かけませんか? きっと良いリフレッシュができるはずです。自分のため、家族のためにも、しっかりリフレッシュして、お互いに良い仕事をしようじゃありませんか。そして何よりも「心と体の健康のため」に、「つくろう!休むゆとり もとう!休む勇気」の精神で、1つでも多くの作業所が閉所し、1人でも多くの組合員が休むことが出来るよう、みんなで連帯して頑張っていきましょう。

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